東畑開人(臨床心理士)さんの著書『聞く技術 聞いてもらう技術』という本を読んでみた。
新書大賞2023で5位。色んな新聞社から紹介されています。
(https://www.chikumashobo.co.jp/special/kaito_tohata/ )
この本は、私の本棚で1年程、眠っていました。
3日程かけて、ゆっくり読んでいたんですが、早く読めば良かったと後悔できるような内容です。
人とのコミュニケーションに悩んでいる人は必読かと思います。
カウンセリングを受けている人が読むと、こんなことをカウンセラーは考えていたんだとわかると思うし、どうやって話を聞いてもらうといいのか、わかるかもしれない。
この本の中で、私が魅せられたことは、
「人の話を聞く前に、自分の話も聞いてもらおう」という話
人の話を聞く仕事をしていると、自分のことを人に話す機会はあまりない。
聞くことの大変さを知っている分、自分のことを人に話すのを小難しく考える。
人に聞いてもらうことの大切さを知っているのも心理士なんですけどね。
今まで働いてきた中で、自分のことを話す心理士って、ほとんどいなかった。
まるで秘密主義者のような印象さえ持ってしまうほどに。
クライエントの中には、カウンセラーのことを「得体のしれない何か」に見ている人もいるかと思う。
心理士は、自己開示に慎重になり、自身の年齢、どういった生活をしているのか、どういう考えを持っているのかなどを言わない。
なぜかって?
それらに大きな違いがあると、クライエントに負荷をかけてしまうことがあるし、
カウンセラーとクライエントの関係性が、近づきすぎてしまうこともある(友達だと勘違いさせてしまう)。
このリスクを回避しようとすると、自分のことを話さないという選択になる。
カウンセラーって小難しいことを考えているんですよ。
この本から感じることとしては、カウンセラーだって人に話を聞いてもらったほうがいいやんってこと。
クライエントに話を聞いてもらえってことではない。
同僚や友人、家族に話を聞いてもらって、自分の中の余裕を確保する。
その余裕を使って、クライエントの話を聞く。
書いていると、当たり前のことやんって思うけど、
これができているカウンセラーってどれくらいいるんだろう?
私の経験では、後輩に3~4人いた程度。
私がこうやって好き勝手に記事を書いていたり、自己開示も割とする私は、心理職領域では異様だと思う。
だけど、このホームページは私のものなので、好き勝手にしようと思う。
コミュニケーションに悩んでいる人や、カウンセラーになりたての子(初学者)に届けばと願う。
余談だけれど、面白い記事を書こうと思っても、真面目な話にどうしてもなってしまう。
面白い記事を期待している人には、申し訳ないです。
好きなものを書くと、どうしてもこうなっちゃいますわ。
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