私が大学院の頃に、エナジードリンクが流行った。
あの時は、レッドブルのCMがよく流れていたことを思い出す。
「レッドブル、翼をさずける」(Red Bull gives you wings)
今でもやっているのかな?
普段はありえないような状況や、キャラクターが非現実的な方法で翼を使って困難を乗り越える様子が描かれていて、コミカルな表現だなと思った。
ゼミで指導を受けるために面接記録をまとめている時や、修士論文を書いている時に、エナジードリンクにはとてもお世話になった。
夜の部(18時頃)のゼミに参加するときには、キューピーコーワも併用していた。
眠気は吹っ飛ぶし、背中に羽が生えているかのように疲労感もぶっ飛んでいく。
まさに、CM通りの感覚を味わえた。
それぞれの効果を調べてみると、
・キューピーコーワは、ビタミン剤・滋養強壮剤で、疲労回復や体力増強を目的としたもの。
・エナジードリンクは、カフェインやタウリン、ビタミンが入っていて、疲労感を一時的に軽減し、覚醒効果がある。
2つに共通することは、疲労感を一時的に軽減させること。
大学院では、2年という限られた期間の中で、カウンセリングのトレーニングを受ける。
大学とは違って、やることが多いので、いつも忙しい。
私の所属していたゼミでは、社会人入学者がいたので、夜の部もあった。
本来は、昼と夜の部の両方に参加する必要はない。
年上の人(社会人)と一緒に学ぶというのは、実に楽しくて、両方に参加していた。
自分の知らない世界を知っている人が近くにいるのって、面白いですよね。
同期生に、年齢が60代の人もいた。
年齢が離れている人と友達になるのって、結構楽しいんです。
実に有意義な時間だった。
良い思い出です。
話を戻すと、
基本忙しい中に、夜の部を入れるというのは、身体がついてくるわけがない。
若さだけでなんとかするにも限界はある。
若さってすごくないですか?
後先考えずに動くこともできるし、こころのアクセルをふかせば、多少の無理もできる。
こころのアクセルをふかすのに必要だったのが、エナジードリンクとキューピーコーワだった。
これを使ったおかげで多少の無理はできたし、大学院では充実した学びができたと思う。
けど、この組み合わせって、実はとても危険なこと。
疲労感を麻痺させて、身体を無理くり動かしているだけに過ぎない。
疲労感が消えるわけではないことを知っておいて欲しい。
翌日に持ち越されるだけ。
イカロスの翼のイメージを持ってほしい。
飛ぶこと(行動すること)の喜びに夢中になり、飛び続ける。
そして、太陽に近づきすぎた結果、蝋の翼が溶けて崩れ落ちてしまう。
エナジードリンクがくれる翼は、自身のパフォーマンスを上げてくれる。
だけど、蝋の翼でしかない。
そもそも徹夜ができるくらいの若さがあったから、できたことだと思う。
社会人になってからは、出勤前にレッドブルやモンスターを飲んでいた。
飲むと、疲労感が麻痺して、気分の底上げができる。
実に使い勝手の良い飲み物だと思う。
だけど、その時の自分は知らなかった。
疲労感は、時間と共に積み重なって行くのだということを(疲労負債)
自分の後ろに、疲労感で潰れかけている自分がいることに目を背けていた。
毎日を必死に生きて、心身を騙して、目の前のことに取り掛かる。
後ろを振り返らずに、盲目的に走り続けることは、時には必要です。
ですが、しんどい時にはしんどいと言って、立ち止まることの方がもっと大切。
立ち止まって振り返らないとメンタルの病気になる。
適応障害やうつ病などのメンタル系の病気を発症する人って、それが苦手な人が多いんですよ。
20~30代の時は、必死に走り続けているので、立ち止まる機会を持ちにくいですよね。
要領の良い人は、気の知れた仲間に話を聞いてもらうことで、自然と振り返りができています。
その一方で、真面目な人って、がむしゃらに走るし、一人で抱え込みやすいんです。
それで限界の先の限界まで突っ切って、突如動けなくなる。
エナジードリンクは使い方次第では、がむしゃらに走るための力をくれる(翼をくれる)。
現代人には必要なものだと思います。使い方次第ですが・・・
おっさんになった今では、こんなことはできないです。
正念場の時にエナジードリンクを飲むことはありますよ。
でもね、エナジードリンクの効果が切れた瞬間、どっとしんどくなるわけですよ。
ウルトラマン並みに活動限界が短いわけですよ。
若い人がエナジードリンクを飲んでいるのを見ると、
若いのに苦労しているなと思ってしまう。
エナジードリンクを飲んだ後でもいいから、誰かに話を聞いてもらう機会を作ってほしいと私は思う。
近くに、エナジードリンクを飲んでいる人がいるとしたら、「調子はどう?」と声をかけて欲しい。
きっと話を聞いてもらうのを、その人は待っていると思う。
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