発達障害を考える

ここ数年で、発達障害という言葉が社会的に認知されるようになりました。

「大人の発達障害」というフレーズもよく聞きます。

発達障害の人が増えたという人もいるが、実際のところは認知件数が増えてきたのだと思います。

つまり、社会の大人たちが発達障害の知識を持ち始めたということです。

発達障害かどうか知りたくて、病院に行く人も増えています。

発達障害を扱ったテレビ番組があると、受診する人が顕著に増えます。

発達障害とは、自閉症スペクトラム、学習障害、ADHDの総称です。

簡単に要点だけ話すと

・自閉症スペクトラム(アスペルガー):他者への興味・関心が低い傾向で、社会的なコミュニケーションが苦手なタイプ。得意・苦手なことの差が激しいタイプ。

・学習障害:学習(勉強)に必要な基礎的な能力(読み書きなど)で、極端な苦手さがあるタイプ。

・ADHD:忘れ物や失くし物が多く、頭の中が常に忙しいタイプ。

これらは、生まれつきの「脳の処理タイプ」です。

文系なのか、理数系なのか、体育会系なのかというイメージでもいいかと思います。

脳のタイプに合っていないことは、「自分なりに努力しても、どうしてもできない」です。

努力でなんとかしている人もいますが、多くはありません。

発達障害か知りたい場合は、臨床心理士がいる病院に行けば、心理検査を受けられます。

心理検査の結果と診察時の情報で、医師が判断してくれます。

ただ、発達障害の診断は非常に難しいです。

発達障害を「ある/なし」ときっぱり判断することは難しいです。

大人の発達障害の場合は、グレーゾーンと言われることのほうが多い印象です。

「あなたは発達障害です」と確信をもって言い切ってくれる医師は少ないと思います。

どの医師に出会うかによっても、診断は変わります。

自分自身が発達障害なのかを考えることは、自身と向き合う作業でもあると思います。

得意なこと・苦手なことを検査結果・診断をもとに考えていくことは価値があることだと思います。

ここで気をつけてほしいのは、「苦手なところをどうにかしなきゃ」と考えてしまうことです。

「苦手なこと、できないこと」を改善しようとする気持ちは大切だとは思います。多少の工夫もできるかと思います。

ただ、発達障害なのか知りたくて受診された人の多くは、今までの人生の中で自分なりの努力を十分にしてきています。だけど、どうにも上手くいかない状態です。その結果、自信が低くなり、気分も落ち込みます。努力の上に努力を重ねるのは、とても大変なことです。

現在・未来を変えるために必要なことは「得意なこと、できること」を伸ばしていくことです。

得意なこと・苦手なことを把握できたら、「自分にできないことは、できる人に頼む」「できることは、精一杯努力する」をしてみましょう。

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