精神科・心療内科に通っている人の半分近くが、医師との関わり方で困っている印象を受ける。実際には、もっといるかもしれないが・・・。
例えば
・困っていることを理解してもらえない。
・診断名を教えてくれない。
・症状が改善していないと言っているのに、お薬を調整してもらえない。
・「薬をやめることができない」とストレートに言われた。
・そもそもコミュニケーションが取れない。
などなど
例を挙げていくときりがない。
その一方で、薬がピタッと心身に合った人は、そもそも医師とのコミュニケーションすら求めてない印象を受ける。「薬さえもらえれば良い」と。
医師とのコミュニケーションには、「相性」問題があるので、なかなかに簡単ではない。
また、医師側とクライエント側、それぞれのコミュニケーション能力がどの程度あるかにもよる。
医師は、医療に関するスペシャリストである。だからと言って、コミュニケーション能力が高いわけではない。
薬を処方すべきなのか、処方するにしてもどの薬を選択するのか、どのような診断になるのかといったことを考えながら診察を行っているように思う。(あくまで、私から見た印象)
クライエント(患者)側は、「今、苦しいので、すぐになんとかしてほしい」「今、考えていることや感じていることを理解してほしい」との気持ちが前面に出ている印象がある。症状が思うように改善していないのに、薬を調整してくれない場合、医師への不信感が募る。通院歴の長い場合、医師に期待することを止めた人も少なからずいる。
シンプルに言うと、
・医師は、薬を調整する人であり、コミュニケーション能力があるかどうかは別の問題。
・医師への不信感がありつつも、通院を続けている人は少なくない。
じゃあ、どうすればいいのか?
・医師以外のスタッフと関わる機会を作ってもらう。そのスタッフに話を聞いてもらい、話の要点をカルテに記載してもらう。その上で、診察を受ける。臨床心理士やケースワーカーがいる病院を選ぶ。
・自分の中でまとまらないこと、まとめられないことを臨床心理士(カウンセラー)に相談する。まとめた上で、医師に何を伝えたらいいのか、アドバイスをもらう。
・言い方は悪いが、そもそも医師にコミュニケーションを求めない。話したいこと、聞いてもらいたいこと、理解してもらいたいことはたくさんあると思うが、症状のみを伝える。診察時間が短い病院が多いので、話を聞いてもらう時間がそもそもないことを理解する。悲しい現実ですが・・・。
シンプルに言うと、
・話を聞いてほしい、理解してほしい場合は、臨床心理士に相談。
・診察時間は、症状を伝え、薬を調整してもらう時間と割り切る。
構造を考えてみると、
医師は「頭」優位で話をする、クライエントは「気持ち」優位で話をする。
⇒コミュニケーションの質やタイプが異なるので、話が通じにくい。
例えるなら、男性は理屈で考えて、アドバイスをしがち(頭優位)。女性からすると「そうじゃない話を聞いて欲しいんだ」という気持ちになる(気持ち優位)。
これと似たようなことが診察場面で起こっているように私は感じている。
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