精神科・心療内科を受診することは、どの人にとってもハードルが高いものだと思います。また、こころの病気が自分にあるということは、なかなかに認めづらいことだと思います。そして、受診に踏み切れた人を私は尊敬しています。明るい未来を掴み取ろうと努力している人です。そんな中、良くなりたいと思って通院しているのに、主治医との関係がうまく築けないという話を聞くことが多い。主治医に伝えたいことを言えず、診察時間が終わってしまうという体験が積み重なる。そこで、カウンセラーから見た診察の受け方(コツ)をお伝えしようと思います。
先に結論をお話しておきます。≪今の状態を紙に書いて、受付スタッフから主治医に渡してもらう≫ これが最善の方法だと私は思います。書き方については、①状態(食欲、睡眠時間、どれだけ身体が動けるか、気分の浮き沈みなど)、②生活(自宅や仕事などの日々の過ごし方)、③希望(薬を増減したい、通院頻度を変えたい、診断書が欲しい、福祉サービスを受けたいなど)、④不要(飲んでいない薬がある、薬が合わなかったなど)の4領域を箇条書きで紙に書き出す。メンタルがしんどい時には、紙に書き出すこと自体がとてもしんどい作業に感じることもあるので、家族の協力があると作りやすいかもしれない。大変な作業だと思った人もいるかと思うけど、騙されたと思って何回か試してほしい。
なぜ、主治医との関係が築けないのか?との疑問を持つ人もいると思うので、少しだけ説明しようと思う。まずは、診察時間が短くなりがち。繁盛しているクリニックではよくある光景です。予約時間通りに診察を受けてもらえるようにお医者さんは必死に努力しています。だけど、話をしっかり聞こうとすると診察時間が長くなる。なので、要点を摘まむだけの話をして診察が終了します。簡単に言うと、薬を調整するための材料となる話を聞いて終わりがち。お医者さんに悪気はありません。本来の仕事をしているだけですから。
ただ、患者側からすると「話を聞いてくれない、流された」という気持ちになるのも事実です。「こころの病気なんだから、話を聞いてよ」という患者側の気持ちも、「薬を調整して症状を改善したい」というお医者さん側の気持ちも私は理解できます。だけど、なかなかにバランスが取りづらい。こういう状況を解決できるかもしれない方法が前述した書き出し作業です。人と話をする時に、事前情報があると話やすいですよね。③希望のところに診察時に話したい内容を書いておけば、お医者さんから聞いてくれるかもです。紙を渡すことが迷惑になるんじゃないかと考える人もいるかもしれないですが、むしろ大歓迎のお医者さんのほうが多いと私は思っています。
精神科・心療内科以外の診療科でも使えるかと思います。私自身も病院を受診するときに使っています。目に見える病気やケガの場合は、少し大きめの付箋に書いて提出することをよくやっています。
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