こんにちは、伊東美佳です。今回は『自我状態療法についてなんだろう?』ということで一緒に探索してみましょう!
そもそも『自我』ってなに?と思われるかもしれません。自我とは、私たちの日常生活を実はお手伝いしてくれている存在なのです。私たちは日常生活の中で色々な自分を使い分けていると思います。
例えば・・・
◯『家でのんびりする自分』
◯『会社で一生懸命働いている自分』
◯『休日にこどものように趣味を楽しむ自分』
◯『家族と過ごしている時の自分』
他にも、数えきれないくらいの自分が私たちの日常生活を支えてくれています。通常、自我の方々はお互いに情報共有を行いバランスをとりながら連携して、私たちをサポートしてくれています。
ただし、大きなストレスや傷ついた体験を受けると、自我の方々のバランスが崩れることがあります。時間の経過に伴い、徐々に自我の方々がバランスを取り戻し、私たちも日常生活に戻れるパターンもあります。
一方で、時間が経過してもなかなか自我の方々がバランスを取り戻すことができず、アンバランスな状態が続くパターンがあります。
例えば・・・
◆交通事故の記憶を持つ自我の方が日常生活で度々登場し、会社にいる時に交通事故の時の 記憶がフラッシュバックし社用車に乗ることができない
◆会社でパワーハラスメントにあった記憶を持つ自我が、毎朝に度々登場し会社に行くことがとて もつらく出社できない
◆事件に巻き込まれた記憶を持つ自我に方が、外出時に度々登場し周囲に対していつも以上に 敏感になり、なかなか外出ができなくない
◆災害に遭った時の記憶を持つ自我の方が、日常生活に度々登場し何度も災害時の記憶が蘇 り、気持ちが落ち込む・眠れない
他にも様々なパターンが考えられますが、いずれのパターンにおいて共通している点は、ストレスを受けた自我の方や傷ついた体験を受けた自我の方が、大きなSOSを出している状態です。
もちろん、他の自我の方々がこれらの方々を助けようとされますが、自分の中の自我の方々だけではお助けが難しい場合もあります。
そんな時こそ『自我状態療法』が活躍します!自我状態療法は、セラピストがご自身のより深い内面に注意を向けることができるようお助けします。ご自身の内面に注意を向けることで、自分にはどんな自我の方々がいるか知ることができます。そして、大きなSOSを出している自我の方に対してどんなお手伝いが必要かを知ることもできます。大きなSOSを出している自我の方のケアを行うことにより、自我の方々がバランスを少しずつとることができるようになります。バランスをとることができるようになったことで、日常生活が安定します。
例えて言うならば、ピアノの調律と同じです。ピアノの蓋を開ける作業はセラピストが行い、ピアノの中の調律は相談者の方自身が行います。もちろん、分からないことがある時はセラピストが相談者の方と一緒に考えます。これらの調律を行うことで、再びピアノは美しく平穏な音色を私たちに聞かせてくれるわけですね。
自分自身の中に、どんな自我の方々がいるか知ることで、日常生活で困った際にその状況により適した自我の方に力を発揮してもらうこともできます。
『みなさんの中のピアノは、どんな調律を行っており、どんな音色を聞かせてくれるでしょうか?』
『私と一緒に調律を楽しみつつ、あなたにしかない美しい音色を奏でてみませんか?』